使用人行政書士を辞めます
突然ですが、タイトルの通りです。
今年いっぱいで事務所を退職することにしました。
来年からは行政書士と社労士の個人事業主です。
今の事務所で働き始めて丸7年。
5年が一つの区切りだなと思っていましたが、2年もオーバーしてしまいました。
今思うと、2年前から自分でホームページを作って集客をし始めていたので、もうその頃から開業をかなり意識していたのだと思います。この2年間はずっと集客の勉強と実践の繰り返しでした。お陰で、事務所の仕事はほぼやらず、自分で集客した仕事をこなすことの方が多くなりました。
何で辞めちゃうの?
使用人行政書士は行政書士全体の1%程度しかいない希少な存在です。
自分がとても恵まれた環境にいることは十分わかった上で今回決断しました。
理由は3つあります。
一つは、今の事務所に将来性がないと確信してしまったこと。
10年後にはたぶん存在しないか、かなり規模を縮小してなんとか生き残っているかだと思います。
僕は生意気なので、所長にも間違ってると思ったことは正直にそう言います。
これまで何度も所長とはぶつかり稽古のように話し合いをしてきました。自分では今の事務所が抱えている病巣にかなり近づいた数少ない人間の一人だと思っています。
僕は今の事務所が大好きだったので、再三、言いたくないことを所長に言ってでも事務所を良い方向に持って行けたらと思っていましたが、結局、自分の事務所ではなく他人の事務所であるという壁を乗り越えることはできませんでした。
自分でやりたいことがあるなら、リスクを背負って自分の思う通りにやるしかないのだと。
そして、自分の運命を委ねるなら、他人よりも自分の方が信頼できるという結論に達しました。10年後にあの時の決断は正しかったと言える自信があります。
二つ目は、自分のお客さんを見ていて、お客さんと同じ世界に身を置きたいと思ったからです。
僕のお客さんは会社の経営者や個人事業主さんです。
皆さん、不安と戦いながら1日、1ヶ月、1年を乗り越えています。
それを見ていて、しんどそうにも見えるのですが、自分が雇われの身でいながらお客さんと会っていると、違和感をおぼえるというか、本当の意味でお客さんと分かり合えてないんじゃないかと感じていました。
憧れとか、新鮮だからとかそういう軽い気持ちではなくて、お客さんと同じ環境に僕自身も身を置いて、一緒に頑張っていきたい、お客さんと同じ世界の人間でいたいと思うようになりました。
三つ目は、このブログの読者さんとのやり取りです。
ありがたいことに、このブログを見て僕を頼ってメールをくれた方が大勢いらっしゃいました。
皆さんが真剣にこの業界で働きたいと考えているのが伝わってきて、僕なりに相談や質問に向き合ってきました。
自分の人生に挑戦している読者さんを見ていて、すっかり使用人行政書士として安定している自分は、上から目線でアドバイスしていなかっただろうか?そう思ったときにすごく嫌な気持ちがしたのです。
なぜ、今まで独立しなかったのか?
正直に言います。
怖かったんです。というか今でも怖いです。
何が怖いかって、収入じゃないんです。
自分で集客している分の売上は給料を下回ったことがありません。
独立すれば給料以上に稼げる目星はついています。
だから食えないことが怖いんじゃないんです。
ただ、変化することが怖かったんです。
自分の環境を変えることが怖いんです。
たぶん、もっと歳を取ればもっと恐怖心は増すのだろうと思います。
だから、少し遅かったけど、今しかないなと思ったのです。
開業に向けてのスピードをさらに加速していく予定なので、ブログの更新は更に遅くなる、というかもう使用人ではなくなるので、更新しなくなるかもしれません。
開業して成功したら、『行政書士 食えない』で検索するのはもうヤメろ!とかいうブログを書き始めるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします(笑)