あなたは行政書士に向いている人?
『俺みたいなのは、一番、行政書士になっちゃいけない人だと思う』
昨日、補助者と話しているときに僕が言った言葉です。
本当にそう思います。
いや、何か悪いことをしているとか、自信を失っているというわけではないのです。
よく、チラシなんかで行政書士が紹介されるときに、『書類作成の専門家』と書かれていることがあります。
あのフレーズを見ると、いつも
「書類作成って、一番嫌いな仕事じゃん・・・」
そう思うのです。
10年やると嫌いなことも慣れてくる、そしてだんだんと・・・
行政書士になったばかりの頃、書類の山を見ると吐き気がしました。
先輩行政書士が作った書類を傍目で見ながら
「許認可申請なんて絶対やりたくない!自分は民事業務で、相談者の話を聞いて、学んだ知識で人を助けたくて行政書士になったんだ!」
そう思っていました。
それが今はどうでしょう?
さっぱり民事業務から離れ、一番得意なのは建設業許可申請です。
作成した書類を自分でチェックし、ヒモで綴じ、申請できるようにセットし終わったときのあの達成感。分厚い書類の山が逆に気持ち良いとさえ思えます。
そして、補正なしで書類を受理してもらえたとき(最近ではこれが当たり前になってきましたが)は一日上機嫌です。
昔じゃ考えられません。
数枚の内容証明でさえ、(前の事務所の)所長に真っ赤に添削されていた自分が、今や補助者の作った申請書をチェックし、付箋だらけにして「やり直せ」と突き返していることを思うと。
「あの時の所長も同じ気持ちだったんだろうなぁ」
あなたに『職人の血』は流れているか?
本物のプロが作った書類というのは、見た瞬間にそのスゴサが分かります。
人間でも達人と呼ばれる人は、佇まいというか、動かなくても凄味が伝わってくるんじゃないでしょうか。そんな感じです。
逆にダメな書類も同じで、書類全体からダメなオーラがぷんぷん漂っている感じがします(汗)
不思議なもので、書類って、作った人のヤル気や知識がそのままカタチに現れるんです。
だから書類をチェックしていると
「あぁ、この人はココが分かってないんだな」とか
「やっつけでとりあえず作ったな」なんていうのが手に取るように分かります。
僕自身もそうでした。
たかが書類作成。
でもその書類作成に本気で取り組み始めると、自分の中のこだわりというのでしょうか、『職人の血』が騒ぎ始めるのです。
僕は10年かかりましたが、この気持ちが分かるなら、あなたは行政書士に向いている人かもしれません。