行政書士の『営業』について考える ~価格競争に巻き込まれないために~
1.自分も相手も苦痛なことはしたくないしする必要もない
行政書士の『営業』と聞くとどんなイメージでしょうか?
僕は『営業』というと飛び込み営業を想像してしまい、押し売りというかお金を取りに行くような「他人の嫌がることをする」というイメージを持っていました。
仕事をしていく中で『営業』という言葉のイメージはだいぶ変わりましたが、そんな話を今日は書いてみようと思います。
まず、飛び込み営業は士業に向かないと思います。
建設会社に一件一件飛び込んで、許可取りませんか~と聞いて回る行政書士がいるかどうかはわかりませんが、社労士さんで飛び込み営業して回った方がいると聞いた事があります。
結果はどうか?
迷惑そうな顔で『必要ないです』と言われるか、今頼んでる先生と料金で比較されるのが落ちだと思います。
もしその方法で成功されている方がいたら素直にスゴイと思います。メンタルの弱い僕には到底マネできません。
僕は飛び込み営業は非効率だと思いますし、その後の仕事がやりづらくなるので飛び込みに限らずお願い営業は一切していません。
仕事をさせて頂くときはお客さんと対等であるべきだと思いますし、お客さんからの問い合わせにレスポンスする方がはるかに楽だと思うからです。
お客さんが望まない営業は『業者』として見られてしまいますが、『お客さんの問題を解決する専門家』としてポジショニングできれば、同業者との価格競争にはなりませんし、値切られもしません。むしろ感謝歓迎してもらえます。
自分が気持ちよく仕事をするにはどちらが良いか?
言うまでもないはずです。
2.コレも『営業』
たとえば、産廃の収集運搬許可を取りたいと思っているお客さんがあなたの目の前にいたとします。
このお客さんのために、産廃許可の要件を一生懸命調べて教えてあげる、だけでは営業活動として足りないと思います。
許可の前に講習会を修了しなければいけないので、先回りして講習会の申込書を渡したり、地元の講習会の予約状況を調べて教える。
運搬車両をこれから買おうとしているけれど希望しているものが見つからないお客さんに、専門業者を紹介する。
設備投資するのに融資が必要なら、お客さんに銀行を紹介する。
仕事がなくて困っているお客さんに仕事を紹介する。
すべて僕は依頼を頂くための『営業』としてやるべきだと思うのでやっています。
申請書を作って出すだけなら誰でもできます。
でも、『自分のためにここまでしてくれるんだ!』とお客さんの期待を超える感動を提供できたら、もう他の行政書士には見向きもしません。お客さんが自分のファンになってくれます。紹介だってしてもらえます。
そういうお客さんがいっぱい増えてくれれば、『食えない』なんてことはないと思うのです。