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行政書士の開業マニュアル・成功本は世に多くあれども・・・ 試験合格者待望の「行政書士 就職ノウハウブログ」がついに登場! 群馬の元使用人行政書士が『行政書士事務所の求人はない』を斬る!! 未経験者のための実務に役立つ(?)情報も公開!!

行政書士と社労士、受けるならどっち?

 

僕は行政書士と社労士の資格を持っています。

 

行政書士は3度目(当時23歳)で、社労士は働きながら2度目(当時30歳)の受験で合格しました。

 

行政書士も社労士も合格率が数パーセントの難関試験です。

そして、どちらの試験もクセがあり、人によって合う合わないがあると思います。

なので、これから受験をする方は、挑戦する前にどんな試験なのか押さえておくべきだと思います。

 

「彼を知り、己を知れば百戦して危うからず」です。

 

1.法律初心者なら行政書士がオススメ

あなたがまだ法律の勉強をしたことがない、あまり自信がないということでしたら、行政書士をオススメします。

何も行政書士試験の方が初心者向きとか簡単だという意味ではありません。

 

行政書士試験の科目には憲法、民法などがあり初心者の方でもどこか馴染みのある法律(憲法は法律じゃありませんが)が出題されるので、取っ付きやすいと思うからです。

 

一方、社労士試験は行政書士試験よりも専門的な試験です。

一般の方には馴染みのない社会保険のマニアックな法令から細かい知識を問う問題が多く出題されます。

 

それと、社労士試験の出題科目には特別法が多いという特徴があります。

 

いきなり何のこっちゃ??

という感じですが、法律には一般法と特別法というくくりがあります。

一般法は原則的な法律で、特別法は一般法に特別なルールを設けた法律です。

初めて聞いた方は「よくわからん」という感じだと思いますが、勉強していると分かるようになります。

 

たとえば、社労士試験の出題科目に労働基準法という法律があります。一般の方でも馴染みのある法律ですが、労働基準法は『民法の特別法』というポジションにあります。ざっくり言うと、『民法が原則で労働基準法は例外』になります。

 

ところが、原則のはずの民法は社労士試験の出題科目ではないのです。

 

なので、労働基準法を勉強していると、突然『民法では~』とか言って原則の民法がチョイチョイ顔を出してくるので、民法を知らない人は『え?』って感じになります。

 その点、行政書士試験を先に勉強した人は、すでに民法を学習しているので、すんなり頭の中に入ってくるわけです。

 

行政法という科目もあるのですがこれも同じです。

社労士試験に出てくる法令科目のほとんどは行政書士試験に出てくる行政法科目の特別法が多いので、やはり民法と労働基準法のような現象がたまに起こります。(特に不服申し立てとか)

 

こういうお話も、行政書士試験では「基礎法学」という科目で勉強することになります。 

 

行政書士試験の勉強は、法律の全体像や考え方(法的思考力)を身につけることができるので、他士業の資格取得にも役立つと思います。

 

2.就職転職を狙うなら社労士がオススメ

資格を取得して就職・転職したい!という方であれば、社労士の方がオススメです。

なぜなら、受験で勉強することは実務に使える知識ばかりだからです。

 

行政書士は、試験で得た知識が実務でほとんど使いものになりません。

たとえば、合格者にいきなり行政書士業務(建設業許可や外国人のビザなど)のことを聞いても何も答えられないのが普通です。行政書士試験に建設業法や出入国管理法なんて科目は出てこないからです。

なので、資格を取って事務所に就職するとしても、実務経験がなければ使いものにならないのが行政書士です。

 

その点社労士は、資格があれば実務経験がなかったとしても戦力になります。なぜなら、社労士試験で学習する知識は実務とリンクしているものばかりだからです。(行政書士試験はこの点を本当に見習ってもらいたいです。未だに国語とか出してる場合じゃない)

 

たとえば、「雇用保険の資格取得届作って」と言われた場合、実際に雇用保険の資格届を作ったことがなくても、「あ~、翌月10日までにハローワークに出さなきゃいけないヤツか」というように、試験で勉強したことと実務がリンクします。

 

僕は、社労士試験の勉強と実務をほぼ同時に始めましたが、勉強で得た知識がすぐに仕事で使えたので試験勉強が楽しかったです。逆に、実務をやってないとなかなかイメージしづらいこともあったので、社労士事務所で働きながら社労士の受験勉強ができるのは最高の環境だと思いました。

 

3.暗記が得意な方は社労士がオススメ

法律の勉強は暗記だ!

と思っている方がたまにいますが、法律の勉強は暗記じゃありません。

 

もちろん、数字を覚えたりしなきゃいけなかったり暗記が必要なこともありますが、法律の考え方をマスターしないとなかなか正解にたどり着けないのが法律系の資格試験です。問われているのは『知識を前提にした思考力』なのです。

 

が、、、

 

社労士試験に関しては、そういった『思考力』よりも知識をいかに身につけているかが合否を分けると僕は感じました。

 

というのも、社労士試験は手続法が中心だからです。

手続法というのは暗記が多いのです。学習方法も、前に出た「雇用保険の資格取得届は翌月10日までに所轄ハローワークに届け出なければいけない。」というようなことをひたすら覚える作業がメインになります。

 

なので、知っていれば解けるし知らなければ解けない、という問題が多いのが社労士試験です。

 

ただ、法律は毎年のように改正されるので、一発合格できないとせっかく覚えた知識が次の年には使えない、ということもあります。

暗記に自信がある方は社労士試験が向いているかもしれません。

 

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