なぜか行政書士だけが『食えない資格』と言われる理由を考えてみました。
行政書士は、代書屋と呼ばれていました。今でもそう呼ぶ方がいます。
昔は運転免許証の書換えを代行していた行政書士が多かったり、今でも車庫証明の申請を代行している行政書士は多いので、一般の方にはそのイメージが強いのでしょう。
ですが、同じように諸官庁に提出する書類の作成代行業である司法書士や税理士は代書屋とは呼ばれません。
なぜか?
それは、専門性があるかないかの違いだったのでは、と思います。
運転免許証の書換えや車庫証明を取るのに、専門知識はいりません。
お客様は「面倒だから」「遠方でできないから」行政書士に依頼するのです。
登記や税務申告は、面倒というだけでなく、専門知識が必要だとお客様が思うから多く依頼されるのです。専門知識が必要だと思われている士業は、代書屋とは呼ばれません。「先生」と呼ばれて、尊敬されます。
この違いから、なぜか行政書士業務だけが専門性がなく、素人でもできる仕事をする士業というイメージができあがり
誰でもできる仕事=お金を出してまで依頼されない=仕事がない=食えない仕事
となってしまったのではないかと思います。
実際は全然そんなことはなく、僕は行政書士になって、お客さまからお金を頂きながら感謝もされて、本当に良かったと思っています。
ですが、お客様から感謝をして頂けるよう、常に自分の仕事に何か付加価値を付けるようにしているつもりです。
ただ書類を作って提出するだけでは、本当にただの代行業になってしまうので、そんなことにお客様は感謝してくれませんから。
なるべく早く安くやってくれ、としか思われません。
一人ひとりの行政書士がお客様に感謝される仕事をすることで、業界全体のイメージアップに繋がる。その結果、優秀な人材がこの仕事の魅力を知って、多く参加されることを望みます。
そしていつか、行政書士を夢見る方々が、世間から「食えない仕事」と言われて悔しい思いをしないように、立派な仕事を目指しているんだなと思われる時がくることを願います。