試験合格が先か?就職が先か?
1.「実務経験を積みたい」「でも、合格してからの方が良いのか?」の葛藤
これは、受験時代に僕自身が経験したことでもありますし、士業に憧れる多くの受験生の方が悩むことではないでしょうか?
先日、このブログを見た方からメールを頂き色々とお話を聞かせて頂きました。
その方は社労士の受験生ですが、実務経験がありません。
「資格も経験もない」
ということで、この先が不安ということをおっしゃっていました。
すごーーーーーく、よくわかります。
僕自身、行政書士試験は3度目で合格できたのですが
受験の間、「このまま勉強だけしていて良いのか?」
「合格しても行政書士事務所に就職できる保証はないのに」
という不安を抱えたまま勉強していました。
僕の場合、3度目の受験の時はすでに大学を卒業していたので、就職浪人状態。
まわりの友達は社会人になっていたので、焦りを感じていました。
でも、その経験をしてきたからこそ言えます。
「まず資格を取ってから就職して本当によかった」
資格者だからって、採用でチヤホヤされるわけじゃありません。
でも、合格者と受験生がいたとします。
採用で迷ったら、あなたならどちらをとるでしょう?
雑用仕事ならともかく(そもそも雑用仕事を求められる事務所では大した実務経験は積めません。)、優秀なスタッフを増やして事務所を大きくしたい、と思っているとしたら、甲乙つけがたい場合、資格者を優先しませんか?
実際、僕が就職した事務所の所長も『試験に合格したからって仕事ができるわけじゃないけど、あの試験に受かるくらいの知識は最低限持ってなきゃダメだよね』と言っていました。
少なくとも、合格者が採用で不利になるとは考えにくいのです。
不利になるとすれば、資格者を雇うとお客を持ってかれるかもしれない、と心配する事務所でしょうが、そういうところは大した事務所じゃないので心配ご無用。
就職できるかどうか不安な気持ちは合格したってつきまといます。
まずは余計な心配をしてないで、合格を優先すべきだと僕は考えます。
2.甘えられるうちは大いに甘える
勉強に専念できる環境があるかどうかにもよるのですが、勉強に集中できるのであれば、まずは試験合格のための勉強に集中する、というのが僕の考えです。
というのも、就職してからの勉強というのは、かなりしんどいのです。
前にも書きましたが、士業の事務所(特に行政書士事務所)は小規模の事務所が多いので、通常業務だけでなく雑用など何でも任されることが多いです。
パートやアルバイトでの採用ならともかく、正規職員であれば残業も多くなると思います。(それは一般企業でも同じことですが)
そうすると、仕事が終わるとヘトヘトで、帰ってから勉強するには相当のガッツが必要になるのです。
それでも自分はヤレル!
と、最初は誰でも思います。でも、強い意志を持ち続けるのは難しいです。
であれば、甘い考えかもしれませんが
たとえば、実家で暮らしてて、そんなに働かなくても良くて、勉強する時間が十分にあるのであれば、甘えたら良いと僕は思います。
実際、僕がそうでした。
学校卒業してから半年はバイトもせず、勉強しかしていませんでした。
親には申し訳なく思いました。でも、行政書士になりたい!っていう気持ちをちゃんと話して理解してもらいました。
最初は「そんな仕事じゃ食えないだろっ」なんて言ってた親が、がんばってる僕の姿を見てだんだんと応援してくれるようになりました。
芸能人のタモリさんも
「30歳までは何やっててもいい」って考えながら自由に暮らしてたみたいです。
(でも、その後ちゃんと結果を出しました)
だから、もし勉強に専念できる環境があるなら、その環境に甘えて一生懸命勉強する。その代り、いついつまでに結果を出すと自分で期限を決めて自分を追い込む。
というのが、僕の考えです。
甘えられる環境なんてないよ!
という場合は仕方ありません。
いかに働きながら勉強時間を確保できるか考えるしかありません。
知り合いから聞いた話ですが、公認会計士に合格した人がいました。
その方は高校の図書館で働いていたそうです。
でも仕事が楽なので、職場で公認会計士の勉強をしていたんだとか。
あとは、タクシーの運転手さんが客待ちの時間で勉強して、弁護士になったという話も聞いたことがあります。
働くしかないなら、士業の事務所よりも、就業中にスキマ時間を持てる職場で働きながら勉強する方がよっぽど近道な気がします。
でも、それだって、悪く言えば会社に甘えてるわけです。
もちろん仕事ですから、やるべきことはキチンとやらなきゃいけませんが
『甘えられる環境がある』というのは幸運なこと。
甘えたって良いじゃないですか。
甘えた分、後でいっぱい活躍して世の中に恩返しすればいいんです。