補助者になりたい方へ 『行政書士事務所ってどんな職場?』に答えます
ぜひ、採用される前から覚悟しておいて頂きたいことがあります。
それは、かなり忙しい職場だということです。
元々、忙しいから人を雇うので当たり前の話ではあるのですが。
行政書士事務所は事務仕事というイメージが強いので、落ち着いた事務所でオフィスワーク、という感覚でいると大変かもしれません。
電話は鳴りっぱなし、ネットからの問い合わせもあり、郵便局へ行ったりというような雑務をこなしながら、許認可の書類作成なども進めていかないといけません。
しかも、職員がそんなに多くいるわけではないので、あなたの仕事量を他の職員に振り分けることもできません。
たぶん事務所内の仕事と外周りで、中と外を走り回ることになるでしょう。
電話応対、お茶出し、郵便局へのお使いだけのパート勤務であれば、まだ大丈夫かもしれませんが、ほとんどの事務所は、補助者が、実務とお客さんの対応や雑務も兼務しているので仕事量は多いはずです。
そして、肝心の実務。
普通に会社へ就職して、研修を受けてから現場に配属されて・・・という流れをイメージされている方は要注意です。
研修はないと思ってください。
業務の内容にもよりますが、基本的にはぶっつけ本番の叩き上げで仕事を覚えさせられます。
事務所側からすると、新人を1から教育するほどの時間的余裕がないのです。
忙しいから人を雇うので、教育に時間をかけることはできません。
申請書の作り方とか、教えてくれるのが当たり前でしょ!?
という気持ちでいると悲惨な目に遭います。
採用する事務所からすれば
申請書の作り方や添付書類の取り方は、インターネットで調べるなり、役所に問い合わせて、どんどん自分で勉強して欲しい。1から10までイチイチ聞いてくるような人材はいらない。
というのが本音です。
先生自身も知識と経験ゼロの状態から、自分で勉強して専門家になっていったわけですから、全て教えてあげるのは本人の為にもならない、場数を踏むことが一番の勉強、と考える方が多いと思います。
待ちの姿勢ではなく、書籍や過去に先生が作った書類の控えを見て、自分で勉強するのです。
ですので、『仕事は教わるのではなく、盗んで覚える』が基本になります。
僕が、東京の事務所で補助者をしていたとき、分からないことがあったので質問しました。
すると、先生から
『血反吐を吐くくらい自分で調べたのか?』
と言われました。
要は、『簡単に答えを聞こうとして甘えるな』ということなのです。
もちろん、全ての事務所がそういう考えではないと思いますが、行政書士事務所だけでなく、税理士事務所も同じだったので、士業の事務所には多い傾向だと思います。
ですから、補助者として雇われるあなたの認識がズレていては困るのです。
雇い主である行政書士の先生が、なぜコストをかけてあなたを雇うのでしょうか?
それは、自分の時間を作るためです。
あなたが補助者として自分の仕事をこなしてくれることで、先生は、新規顧客の開拓、営業などの他、事務所の経営のために時間を使うことができるようになるわけです。
それを理解して、手助けできる人間が求められている人材です。
依存体質が強く、自分で学ぶ、調べる姿勢がない方は仮に採用されたとしても厳しいかもしれません。