2週間で引き継ぎを終わらせろ!
念願の行政書士事務所に採用され、補助者として働けることになりました。
が、いきなり問題にぶつかりました。
なんと、僕の他にもう一人いた補助者の先輩が2週間後に辞めることになっていて、その先輩の仕事を引き継がないといけないのです。
その仕事というのは、パスポート申請の代行でした。
今ではパスポート申請の代行を業務にしている先生が多いですが、当時はニッチ業務で、東京、神奈川はこの事務所のほぼ独占状態。専用のホームページのみでガンガン集客していました。
ご存知のように、パスポート申請は平日しかできません。
東京、神奈川の平日時間のとれない会社員、これがターゲットでした。
料金体系も
特急プラン 急な出張などでパスポート取得を急いでいる方・・・29,800円
特に急いではいない(戸籍謄本は事務所で代行取得する)・・・12,600円
特に急いではいない(戸籍謄本は自分で取る)・・・9,800円
とわかれていて、プランに合わせてお客さんの対応をしないといけません。
毎月30件は申請していましたから、ほぼ毎日メールと電話で問合せがきます。
問合せがあったら、請求書を発行し、申請書と事務所オリジナルの説明資料など一式をセットにしてメール便でお客さん宛に送ります。
業務の流れと申請に必要な本人確認資料、同時に、戸籍謄本の取り方も覚えなければいけません。
ガンガンくる問い合わせの中で恐ろしかったのは、事務所的には高額報酬で一番おいしい特急プランです。
とにかく1日でも早く依頼人はパスポートが欲しいのですが、パスポートは申請してからできあがるまで1週間かかります。
そのため、申請をいかに早く正確に完了するかが勝負です。
問い合せメールがきたら、すぐに電話でアポを取って、お客さんのところへ飛んでいきます。
慣れない土地で、地下鉄に揺られながらお客さんに会いに行き、必要な書類を全部預かったら、速攻でパスポートセンターに行って申請するのです。
法律知識はほとんどいらない、本当に『代行業』という感じの仕事でした。
その間、民事業務の相談電話やメールが次から次へと舞い込み、その対応をします。
メチャクチャ忙しく、事務職なのに、毎日汗まみれで働きました。誰も手伝ってくれませんし、昼休みをとることもできません。昼ご飯は、申請に行く途中でコンビニに寄り、おにぎりを買って歩きながら食べる、そんなことがほとんどでした。
受験生の頃からさんざん聞かされていた
『行政書士は仕事がない』
あれは何だったんだ??
そう思いながらも、ともかく、入所してから2週間がむしゃらに働き、引き継ぎは無事完了したのでした。