行政書士事務所に就職するなら知っておきたいこと【会社編】 株主の探し方
行政書士の有資格者には、実務経験がないことをネックに感じている方もいます。
実務経験は就職できるかどうかにはあまり関係ないと思いますが
いざ、就職して働き始めるときは不安です・・・。
行政書士試験の知識は実務とあまり関係ないですし
しかも、ほとんどの行政書士事務所では、新入社員を教育指導するほどの余裕はありません。
「仕事を教えてあげる時間はないから、やりながら覚えて!」
と言われる可能性大です(汗)
なので、仕事で使えそうな実務の話をしていきます。
今日は
『会社の株主の探し方』についてです。
会社の議事録や許認可業務の申請書に会社の株主を書くことがあります。
が、会社の株主が誰だかわからないことがあるのです。
会社の役員(取締役・監査役)は、会社の『登記事項証明書』を
法務局で取ればわかります。
でも、登記事項証明書に株主は載っていないのです。
会社のことなんだから、社長に聞けばわかるだろう
と思って社長に聞いても
「社長、会社の株式って誰が何株持ってますか?」
社長「う~ん、株主は俺と奥さんだけど、何株だったかな」
となってしまうことがあるのです。
会社を設立したときに作った最初の定款(『原始定款』といいます)や
『株主名簿』を見ればわかるじゃないか!
と思うかもしれません。
が、原始定款は、会社を作るときに最初に出資した人(発起人)は
わかりりますが、その後、株主が変更した場合、その情報はわかりません。
株主名簿も、ほとんどの中小企業はそもそも作ってません。
「株主名簿はありますか?」と聞いたら
「なんですか、それ?」と逆に聞き返されてしまうでしょう。
では、どうしたらいいか。
1.建設業許可や産廃の許可を持っている会社であれば申請書の控えを見せてもらう
申請書の中に、株主の情報について書かれているものがあるので、それを見て確認します。
たとえば、建設業許可の場合、↓のような書類が申請書の中にあります。
建設業許可を持っている会社であれば
この『株主(出資者)調書』を見れば、誰が株主で何株持っているかわかります。
しかし、建設業や産廃の許可は5年に1回更新しますから、情報が最新でない可能性がある、ということと、そもそも許可を持っていない会社だとこの方法ではダメです。
その場合は
2.法人税申告書の別表二を見せてもらう。
行政書士の先生でも聞いたことがない、という方が多いかもしれません。
法人であれば、ほとんどの会社は毎年、確定申告をしています。
そして、税理士さんから会社に、申告した書類の控えを渡されているはずです。
申告書類は結構な厚みがある書類ですが
その中から『別表二』という書類を見つけてください。
こういうのです↓
①会社が発行している株式の数
この会社であれば60株です。
②60株の内訳が載っています。
株主は田中太郎さんとその奥さんで
太郎さんが50株、奥さんが10株持っていることがわかります。
新入社員が知っていると
先生や先輩職員から、『おっ』と思ってもらえる
・・・かもしれません。